竹中治堅

 日本では1月15日にコロナウィルスの最初の感染者が確認される。最初の感染者は中国・武漢市への渡航歴があった(『日本経済新聞』 1月16日)。1月28日には武漢滞在歴のない奈良県のバス運転手が感染していることが判明する(『日本経済新聞』 1月29日)  安倍内閣の初期対応は迅速だった。1月16日に武漢への渡航歴がある日本人の感染が確認されると関係省庁会議を開催、1月21日には関係閣僚会議を立ち上げている。1月28日に新型コロナウィルスを指定感染症と検疫感染症とすることを閣議決定、入院措置を講じられるようにしている。  さらに1月30日に首相を本部長とする新型コロナウィルス感染症対策本部を立ち上げることを閣議決定する。同日第1回会合が開かれている。  また、1月31日には中国湖北省からの入国を拒否する方針を水際対策として打ち出す。対策のため、出入国管理及び難民認定法を最大限柔軟に解釈した。  2月1日にはコロナウィルスによる肺炎を感染症法上の「指定感染症」と定める政令を施行する。これにより患者に入院勧告や強制入院を行うことが可能になった。